雑記 Diary2009/08

17話配信終了、18話も放送開始
レベル2:17話「エンドレスエイト」まで見た人までok

17話「エンドレスエイト」 「間」の回
 団員達に生じた変化も今回はありません。見ているほうの絶望感はハンパじゃありません。「エンドレスエイト」は数回同じような描写を続けて、「お、これがループ脱出の伏線になるんだな」と思わせた後にあえてそれを無くして見せて、続いているのではなくただただ繰り返しているのだという事を強調するという手の込んだ演出を行っているのでしょうか。

 12話以降を時間的な連続だと認識している登場人物は、長門ひとりだけです。つまり、長門が行うことだけが伏線になりうるのです。

 今回は台詞に奇妙な間があります。
17日、喫茶店から帰る長門をキョンが呼び止めるシーンです(00;07;24)。歩いて帰る長門をキョンが自転車で追いかけて(!)声をかけます*)。キョンが言いよどむと、長門はキョンの言葉を待つように僅かにキョンの方に向き直ります。何で俺は長門に声なんてかけたんだとモノローグしてから行っていいぞが出るまで8秒もあります。キョンと長門だけでなく、ハルヒの台詞にも「間」があります。
盆踊り会場、お面の出店の前(00;10;06)あと、みくるちゃんの分も一個だけなら…買ったふうん、そお
スーパーの従業員控え室(00;12;34)みんなお疲れご苦労さんバイト代はこれよ
 ハルヒにもデジャブが生じているのでしょうか?

 ところで、何故デジャブが生じているのでしょう。記憶のリセットから零れ落ちた残滓と古泉は言いますが、ハルヒの能力だとすると奇妙です。
 ハルヒの望み=キョンの望みは7月14日の雑記に書いたように、ハルヒとの夏に過ぎ去って欲しくないという事です。それはループする事で達成できますから、別にキョン達の脳にデジャブを与える必要も無いわけです。ましてや、"不思議"に出会える筈も無いと信じているハルヒ自身の表層意識にそのような感覚を与える理由がありません。

 これが長門の情報操作能力による物だと考えれば、毎回喫茶店で解散した後にキョンが長門に声をかけている理由も明確になります。長門がキョンに前回ループで言われただったら、どうして黙ってたんだという非難交じりの質問に答えて、声をかけやすい心理状態に情報操作したからです。では何故最近どうだ、元気でやってるか。元気とだけ答えて、あとはキョンの言葉を待っているのでしょうか。それも簡単で私の役目は観測だからにキョンがそうかと納得してしまったからです。長門にとってどうして黙ってたんだ=「黙っているだけでは困る」 そうか=「それならしかたがない」なのでしょう。

 キョンたちが感じているデジャブの大きさや、それを深刻に感じるかどうかに、各回ごとに波があるようにみえるのは、ハルヒ(の無意識)と長門が、リセットとデジャブを使ってせめぎ合いを演じているからではないでしょうか。

 もう一度、ループしている理由が明らかになった15話の喫茶店での回想シーン(00;22;15)を見てみましょう。

キョンここでお前を帰したら、あの一万何千回と繰り返した、あの二週間を……
 ハルヒの後姿に重なる入道雲
 ハルヒの頭をナメて入道雲
 どこか、坂道を下るSOS団ごしに入道雲/缶コーヒー/市民プールの水面に映る入道雲/野球ヘルメット/森林公園(古泉?)/長門が飲むソーダフロート/夜の駅前公園での朝比奈さん(背中に入道雲)

 ここまでは2週間の思い出なのですが、カメラが映画館に入るやキョンの心象と化していきます。

 映画館、スクリーンに入道雲
 映画を見る団員達(モノクロ。なぜかハルヒだけ不在!)
 スクリーンに映る男女の後姿、背景に入道雲(カラー)
 そのアップ。男にささやきかけるのはなんとハルヒ。ゆっくりとこちらを見る
 唖然とするキョン
 スクリーンの入道雲に向かって手を伸ばす(キョンの「見た目」ショット)
 その手のアップ
 キョンの超クローズアップ。呆然と見開かれた瞳に入道雲が映っている
 寂しそうにうつむく長門。瞳にスクリーンが映っている
 暗転/早いフェードインで入道雲と模型飛行機のイメージショット
 まてよ、ハルヒキョンの声、雲の向こうに消える飛行機

 キョンの心の中で、一人たたずむ長門が去ってゆくハルヒとしっかりと対比されています。キョンの眼には、”見知らぬ男にささやきかけるハルヒ”に見えている映像ですが、長門の眼にはどう見えているのでしょうか。
 実際の映画館シーン(00;21;02)では、映画はモノクロですから、スクリーンの中と外が逆転してるのですが、ちゃんとスクリーンを見つめるハルヒと長門のショットがあります(00;21;06それでハルヒが満足している筈がないとは思っていたが)。

 その一つ前のシーンにも、長門vs.ハルヒがあります。
バッティングセンターで長門がハルヒの後姿を見つめながら私の役目は(ハルヒの)観測だから(あなたが望まなければ話せない)と答えます。これにキョンがなるほど(任務じゃ仕方がないけれど、おまえにとって俺はそんな存在なんだな)と残念そうに答えるとハルヒがやったーと叫びます。意識していないからこそのハルヒの無邪気な叫びが、行き違いの残酷さを引き立てます。もちろん、長門はただのハルヒ観測ロボットではありません。もうひとつ重要な任務がある事を「朝比奈ミクルの冒険」で自ら明かします。

 「エンドレスエイト」とは、キョン、ハルヒ、長門それぞれが、相手が話してくれないと悩み続ける青春ドラマだったのです。だれかが口火を切れば事態は回転しだすのに、600年間も微妙な距離感ゆえに悩み続けているのです。

*)聖地巡礼サイトで調べてみると、駅前の喫茶店からこの場所まで1kmはあります。

次回の配信はやはり8月5日22時から8月6日21時59分までの1日だけ公開の模様。
webの悪評に騙されて取りそこなうことのないよう。早めにダウンロードしましょう。

小ネタ

キョン(老)?と自転車

この風景は夜のSOS団ミーティングからの帰り、14、16、17話でキョンが自転車を押して帰る道です。
google mapからお借りしました。
16話の(00;17;40)長門はそう言った。のあたりなのですが、赤い自転車をご老人が押しています。ちょうどまたあほな話を聞いちまったぜで立ち止まるあたりで、カーブミラーのある横断歩道を渡ろうとされているようです。
ループから脱出したキョンがリップヴァンウィンクルと化してしまったかのような錯覚を覚えてしまいました。

このカットはネタありでしょうか。
直前の坂の上からのショット(00;17;3415521回目)で坂を歩いてくるキョンの手前に見える看板には赤く「薬」と書かれているのですが、これと長門はそう言ったのショットの左奥にある白い看板は実は同じもので、この写真の左奥にあるものと同じです。聖地巡礼サイトによると、ここにあった薬局が現在では模型店に変わっているようですから、坂の上からのショットを1期制作時にロケハンし、このショットはgoogle mapを参考に歩道上からの風景を想像で描いて、ちょうど赤い自転車を引いていた人物をキョンに見立てたと考えれば辻褄は合うのですが…真相はどうなんでしょうか。単に西宮では赤い自転車がポピュラーだというだけですかねぇ。

 google mapで、この赤い自転車を確認したい方の為にヒントを書いておきます。
現在、見えなくなっています。何のことかよくわからない記事ですが、ストリートビューでもう少し近づくと自転車がキョンのものそっくりだったのでした。(追記)ここはハルヒの母校「東中学校」の建物のモデルになった学校のそばです。「笹の葉ラプソディー」で朝比奈さん(大)の導きどおりに線路沿いを歩いた所に実際に中学校がありますが、ハルヒが乗り越えた門の中には、別の中学校の校舎があります。

18話「エンドレスエイト」配信終了
レベル2 18話まで見た人

今回は「異」の回

 なにかおかしいが3連発ではじまる。ガラス椀の影がゆるりと動く(00;00;05)。止まっているのではなく止めているものに注意を払えというわけ。
TVは露出オーバーで画面が見えない。前回までは、ここからでも逆転できると言っていた解説が奇妙にハイテンションに叫んでいる。(00;01;12だから一言ものあたり)
プールでも盆踊りでもモブはほとんど動かない。モブをナメる構図がおおいのだけれども、モブは影のように描かれていて不気味
このふたりがあたしの団員よ?すぐ隣に長門もいるじゃん。(00;06;20)
喫茶店では、長門がソーダを飲もうとするがやめる(00;07;30)
ハルヒ一人が妙な方向へ帰る(00;07;45)
盆踊り会場では、お面やのおやじがモヒカンだったり、金魚すくいのあんちゃんが中空をみたまま微動だにしなかったり奇妙(00;10;26)特に後者は、金魚をすくっている子供があんちゃんを見る動きがあるのであんちゃんの不動が強調され不気味だ
不動の長門をナメている構図も多発
朝比奈さんの走りながら叫んでいる台詞がわからない(00;12;16)これも違和感の演出?
深夜ミーティングも朝比奈さんの台詞が聞き取れない。起こされるキョンの疲労感。
バッティングセンターは雨。今回のそれの意味は?。私の役目は…ちゃんと長門がキョンのほうを見ている。(00;21;13)
最後の喫茶店はまたSOS団貸切状態になっている。
喫茶店での最後のデジャブ(00;22;34ハルヒじゃあ今日はこれで終了)でも、ちゃんと長門がキョン(カメラ)を見ています
やはりデジャブをもたらしているのは長門なのでしょう。

 今回はハルヒの言いよどみがなくなったのは、前回ハルヒを心理攻撃したらハルヒがリセットに失敗して世界が不完全に再生されるだけだったので、長門は今回キョンや朝比奈さんに狙いを定めたと言う事なのでしょうか。

 しかし、私も鈍いのか、やっと長門の昆虫採集での行動の意味に気付きました。毎回レア昆虫を採ってキョンに見せるのは”命じてくれるなら情報操作であなたを一位にする。あなたの望みを涼宮ハルヒに伝えるといい。”という意思表示ですよね。

原作から省略されている台詞がある事にも注意を払えていませんでした

「いったい何をすれば、あいつは満足なんだ」
「さあ、それは僕には。長門さんは解りますか?」
「解らない」 (暴走p.61)

 原作とは違って、ループ脱出法が解っていないのはキョンだけだと考える事も可能だという事ですね。
今回はよりハルヒvs長門構造が明らかになったのではないでしょうか。
 ラストシーン。入道雲の待受け画面を眺めて、夏に未練たっぷりなキョン。その自身の心こそがループをもたらしているとも知らずに。
そん時の俺にまかせりゃいいかとモノローグするキョンを、窓ガラスに映ったキョン自身が冷ややかに見つめています。このキョンは過去ループの自分自身でもあり、また次回ループの自分自身の象徴でもあります。軽蔑に満ちた視線が自身を射抜いても、彼はどうする事もできません。

【次回配信予定】 8月12日(水)22時00分~8月13日(木)21時59分 だそうです。

機動戦士ガンダム」いわゆる「ファーストガンダム」が日替わり無料配信中です。

 しかし今見るとヒドイ!特にガルマ編の無茶さには驚くばかりです。「コアファイター脱出せよ」を例に挙げます。

 解りやすく書くと、味方に連絡する為に、カタパルトを大砲代わりに使ってコアファイターを砲弾のように打ち出すという作戦なのですが、シャアに追いつかれて帰ってきてしまいます*)。Uターンして帰ってこれるだけ燃料があるという事は、単純に目的地で減速着陸するだけの分の倍以上の燃料を持っているということですから、危険を冒して打ち出す必要ねえじゃんという事になってしまいます。そもそも発射を感知してからコムサイで追いつけるって。よっぽどゆっくり飛んでるのかな。

イセリナ恋のあと」も、私怨で個人がガウを出撃させたり正面から飛んでくるガウに飛び乗って(!)「未来少年コナン」のパロディーやったり。

 このような作品なのですが、リアルタイム世代はものすごくリアルでロボットアニメとは到底思えない驚くべき作品として毎回TVの前に正座して息をつめて見ていたのです。雑誌の投書欄は「富野監督すげー!天才!」であふれていました。後続世代は当時のロボットアニメがどんなものか想像できるでしょうか?

 実は私も解らなくなっていました。
 何故ならガンダム以前の作品の要素の多くがガンダムに流れ込み、後続作品はガンダムの良いところをみな取り入れたからです。特に近年マジンガーZゲッターロボが今の技術と演出でリメイクされているので元祖巨大ロボが妙にかっこよく脳内再現されます。もし「なんだガンダムってフツーじゃん」と思われるなら、(現に私も今回はそう思いました)その「フツー」はみんなガンダムがリファインしたものやガンダムが発明したものなのです。

 今見るとガンダムには奇妙な清涼感があります。ランバ・ラル戦などは往年の忍者漫画みたいな駆け引きがかっこいいですね。 この清涼感はガンダム以降の作品が失ってしまったものでもあります。熱くなることを避けてドライに、というのは当時の時代性そのもので、BGMとあいまってキャラクターの泥臭さをうまく中和しています。アムロの鬱屈は「新世紀エヴァンゲリオン」のシンジの直接の元祖に当たります。
美形キャラの乗ったガンダムなんかおかしいよと思ってしまうのは、私がファースト世代だからなんでしょうね。

*) おそらく、原案段階ではこんなストーリーだったのではとないかと想像します。
ホワイトベースが着陸、動きが無い事をキャッチしたガルマは故障と思い攻撃をかける。ガンダム等が迎撃。押されるがホワイトベースは逃げようとしない。やっとホワイトベース始動。艦首を上げ発進口が開くのを見て、もしやと思ったシャアをアムロがすんでのところで止め、コアファイターが弾道軌道で打ち出される。後にマチルダとともにコアファイターのパイロット(多分ハヤト)が帰ってくる

 この回の前後で妙にハヤトの台詞が多いですし、後の回で突然マチルダが現れるのも奇妙です。体重の軽いハヤトがコアファイターで射出というアイデアだったのではないかと考えれば辻褄が合うのですが、打ち出されるのも迎撃するのもアムロになってしまったのは当時のオトナの事情なのかもしれません。

ハルヒ」19話放送開始。いつもは感想うpするのはweb配信後にしているのですが、10日発売の「ニュータイプ」誌が種明かしをする模様。後だしジャンケンになるのも癪だし、どうしようかな

多分ネタバレ度2 18話まで見た人でもOK
 アニメ版「エンドレスエイト」とは何なのでしょう。
エンドレスエイト」が何をしたかと言うとそれは簡単で、主人公の交代です。
2006年放送で全14話DVD発売中の、いわゆる1期とはなにかというと、既に何回も書いていますが、「キョンの眼を通して見たハルヒの成長物語」です。

 キョンは傍観者であり、モノローグは虚飾に満ちていて全く何を考えているかわからないのに対して、画面は終始ハルヒにフォーカスされており人物造形も直情型でわかりやすい上、ちゃんとクライマックス前に心情を吐露しています。(憂鬱Ⅴ00;06;58あたしはある、忘れもしない…)全14話にまとめる為の偽装とはいえ、実に良くできすぎています。 この構成だったからこそハルヒという作品を好きになった人も多いのではないでしょうか。

 本当は、この作品の主人公は巻き込まれ型で、自分の思いを心に浮かべる事すら恥ずかしがり、読者に寄り添う振りをしているキョンであり、ハルヒシリーズとは彼が自身を主人公であると自覚するまでの長い長い物語なのであることは、原作をお読みになった方ならご存知でしょう。

 ですから「サムデイ イン ザ レイン」以降の作品を描くためには主人公をキョンに戻さなくてはなりません。今期スタッフの取った作戦はかなり困難なもので、「実は初めからキョンは主人公だったんだ」です。

あらためて」を全14話再放送、その後に原作どおりの「笹の葉ラプソディー」「エンドレスエイト」「溜息」を放送とすれば、また別の意味が生じます。「ああ、これからはキョンが主人公で行くんだな」になってしまうのです。
19話を見終わってみれば、交代が自然に成し遂げられている事に驚きます。もう誰も、ハルヒが主人公じゃないのか?なんて言いません。

 キービジュアルにもそのことは表現されていて、2006年のものが「これから幸せになるエキセントリックな少女」今期のものが「美しく活動的なヒロイン」です。2006年版のキャラクターデザインは、よくヒラメ顔カマボコ口と言われますが、ハットリ君真ゲッターロボ、ナハハ(シッコモーロー博士)のような「異形のトリックスター」の要素が盛り込まれていて、あえて観客に違和感を抱かせるように描かれていながら美少女キャラクターだという挑戦的なデザインです。
新旧共にキービジュアルはメタネタなのですが、何からメタなのかも違います。前回はレジストレーションマーク(トンボ)からはみ出し、今回は前回キービジュアルのポスターを巻き取ってフレームから飛び出しています。

キービジュアルの変化が意味するように、私たちは3年前と同じフィルムと新作を交互に見ていながら、物語のヒロインになったハルヒと主人公らしくなりつつあるキョンを見てもほんのすこししか違和感を感じません。
 怒り狂っている人もあきれている人も殆んど気が付いていない、まるで「エンドレスエイト」のモブキャラ達と同じです。
 私たちは今期製作者の術中にまんまとはまっているのです。

 甲子園大会をTVで見ると奇妙な感覚に襲われます。なにかがおかしい、そんな気がした。おそるべし「エンドレスエイト」。掲示板はあいかわらず「エンドレスエイトを褒める奴は角川の工作員」てな書き込みばかり。
つい、角川書店の中のひとがスカウトに来ないものかなと期待してしまう毎日。
などと言っていると ((((((・Д・)))))))うわわわわっ
本棚が降着したボトムズのATみたいに座屈してしまいました。

19話配信終了/20話放送開始
レベル2:19話「エンドレスエイト」まで見た人までok

 19話「エンドレスエイト」は「起」の回
いつもの通り、セミの声で始まる。以前のような短いカットの挿入など、違和感を強調する演出は無い。
リビング内で90度tilt up。なにかおかしい言われなくたって微妙に台詞が違う。キョンが庭に眼を移す。蟻の行列がセミの羽を運んでいる夏もおわりか-このセミは誰の暗示だろう。死んでしまったのは誰?
のんびりと自転車を止め、朝比奈さんにあなたの為に来ましたと挨拶。こ、こいつは誰だ!キョンはこんな事を言う男じゃ無かったのに。

 --ついプレイヤを巻き戻して、自転車の奇妙な停め方を見直してしまいました。確かに憂鬱Ⅲ(00;11;11次の土曜日、北口駅前に)と同じ、自転車を止めた右側におりています。こいつのヘンな癖はキョンと同じ。ニセモノじゃない。だが台詞が違うし、ハルヒに対する当りも強い。プールではハルヒがはじめて、荷物の置き場所を確保している途中で飛び込む。
プールでのデジャブも今までと同じ。今までデジャブは画面上で描かれなくてもしょっちゅう起こっているのかと思っていたが、ひょっとして描かれないところではあまり起きていないのかも。
ハルヒの影がキョンに落ちる。この事件の原因がハルヒ自身にある事、もはやハルヒ/ループから逃げられない事の暗示。
朝比奈さんの怪我は省略。今回はハルヒ×キョンを強調している。
喫茶店。予定表の項目がいままでより少ない。(00;06;39残り少ない夏休みを…)誰の予定表だやっぱりキョンの返答がキツイ。ちょっと失礼目の前の予定表を左手で取り、すぐ返す古泉。これはなんの儀式?
まかせたわよ古泉君(00;07;31)というとソーダを飲みきる長門、そのタイミング良さに長門を見るキョン。15000回以上もこの台詞が出ると解散なので、ルーチンワーク化しているのだろう。今回は4人が同じ方向に帰る。声をかけられる事を知っている長門はやっぱり最後。(00;07;59)ええと、キョンの頬に汗。夏なのに汗の描写が少ないので、いやでも目立つ。長門の特徴的な歩き方。そういえば歩き方でキャラクターを表現したのって、キャプテンハーロック以来じゃないかな。*)長門に対する態度は以前の6回と同じ。
古泉が調べたところ、(00;08;20)不自然さを指摘。既にここはハルヒの宇宙。3人の組織はハルヒの願望の影。
浴衣のデザインは水着と同じく、原作口絵のもの。
朝比奈さんはなんで毎回盆踊りに驚けるのだろう。ここで朝比奈さんに毎回デジャブ無しなのは何故?
すくい放題破り放題よハルヒの台詞も違う。いままでは黒い出目金はプラス200ポイント等なので、競技から完全に朝比奈さんの為にやってあげる形に。
やはりお面を買えないキョン。今回は後ろで古泉が見ている。お面に気付かずたこ焼きをくれないハルヒ(00;09;14)。
夏休みの正しい楽しみ方よでひざをちょこんとするハルヒ(00;10;07)。
そうねえ、…一日だけ団長の権利を一瞬にやっとするハルヒ。なんだ宿題だって解っているじゃんか(00;10;20)。
セミが一匹。キョンの補虫網に止まる(00;11;11)。「セミの恩返し」の前フリ。
バイトでもキョンは今までよりタフ。きぐるみの眼のドアップまるでバイトという名の我慢大会であります(00;11;30)台詞はケロロ軍曹だが、絵は前フリ。
深夜ミーティング。朝比奈さんは一番大泣き。古泉は平然。古泉お前は殺す。(00;12;47)やっぱり態度がキツイ
古泉の横顔(00;13;18そしたら禁則事項)策士失格の悪役面。
缶コーヒー(00;13;46)。これも原作どおり。(古泉は缶コーヒーの縁を無意識のようになぞっている。-暴走p.60)今回も全員同じ缶。やはり長門が握り締めている。キョンが買ったものなのだろうか。
信じても救われたためしは一度も無いんだが(00;14;07)物議をかもしそうな台詞だが、この言葉の主語は「ハルヒという神を」だろうか。
解りたくもないね(00;14;12)しらばっくれるキョン。
(00;14;28)なぜか繰り返し回数をいいよどむ長門。
(00;15;4115532回)キョンの眼のドアップ。やはり汗。何故毎回ここにデジャブが生じず新鮮な驚きの描写なのかというと、回数そのものの情報が毎回違うからだろうと考えていた。しかしデジャブが繰り返しに対して機械的に起こるものでなく、人為的に与えられているものだとすればこれは自然。
かならずしもそうではないでゆっくりとキョンのほうを向く長門
こぼれた缶コーヒーに誘われた虫がおぼれる(00;16;17)。終わり無き夏休みという罠に捕らえられている事の暗喩。
長門の言葉をやはりさえぎる。人間の愚かさ/弱さ。
(00;16;32)3人は同じ方向に帰り、キョンとは公園で別れる。1キロ先までキョンは長門と同じ道なのに。
またあほな話を聞いちまったぜ長門に超常的支援を受けていて、もう日常には帰れないキョンなのに、そのことは認めたくない。
天体観測とバッティングセンターでは台詞省略。長門が望遠鏡を撫でている(00;17;07)し、バッティングでは長門とキョンが並んで座っている(00;18;13)のでやり取りが略されているだけでいないのかしら、火星人私の役目は観測はあったと言うこと。つまり長門が強調されない回だということ。
 カエルの右目に雨、左目にも雨粒(00;18;15)バイトシーンでアップになっていたカエルの眼である事、そしてカエルの汚水口の前で雨宿り。いくらなんでもこれは偶然ではない。
(00;18;30)もちろんそれでハルヒがキョンの見た目ショットで雨に濡れたハルヒ。16話から降り出した雨はやはりハルヒの能力によるものだった。ハルヒの満たされない心が降らせていたのだと種明かし。
 喫茶店でこんなんで良かったのかしら不満は最高度。ほかになにかしたいことある?4人のバストアップ。長門だけが平常心。もはや迷いもない。(00;19;31)キョンナメてハルヒ今日はこれで終了期待感。

まてハルヒかさなる715532回分のハルヒの後姿、そして夏の幻像。
入道雲を前に立ちつくすキョン。走ってくるハルヒ。キョンに届く直前、水柱。-キョンの夏に輪郭と意味を与えたのがハルヒ。その始まりがプール。
水滴が星にかわる。銀河の下でたこ焼きを差し出すハルヒ。牽牛と織女のように。-忘れられない三年前の記憶。それが盆踊りの夜
たこ焼きを受け取るとセミ。-花火をしながらハルヒが約束したこと。
そのセミを握り締めるキョン。
ダメモトでいい、言っちまえ。キョンの心に初めて生まれた勇気。弱かったキョンは(なぜか)もういない。ここでハルヒとの夏が過ぎ去ってしまっても、ハルヒとの秋が来る。
ドアの向こうに消えてしまうハルヒ。もうだめかと手を握ると、心象で握っていたセミが線香花火に変わる。
その輝きを呆然と見つめるキョン。そうかあの時、
浴衣のハルヒの言葉(一日だけ団長の権利を譲ってあげる)。キョンの眼、頬に汗
それがハルヒが望んでもかなえられなかった(二つのうちの一つの)願い。
まだ終わってねえ!夏を終わらせる決意をする事。過ぎ去ってしまう惜しさだけを願う事から脱すること
バカぁ?宿題が意外だからではなく、大声で叫ぶ事が意外。4人の深刻さをハルヒは知らない。取り付く島が無い。ハルヒにお願いするなんてあと千年ループしても無理。だから3人に向かって。
一番信頼できないと思っている筈の古泉にじゃあ一緒にやろう演技台詞。
ここまで言えれば長門も来い595年間無かったキョンの命令。長門にも訪れた驚愕
朝比奈さんに話すキョンのoff台詞を聞いている古泉の顔。策士の”計画通り”、そしてこの彼にならまかせられるという信頼感
勝手に決めるんじゃないわよハルヒの泣き声交じりの怒声。ハルヒの不満は天体観測のあきちゃった以来なので12日分に過ぎないが、これは観客の為の映像的誇張。
何度もやりたい事ない?って聞いたのに。自分を疎外して、しかも2週間どうしても得られなかった団員3人の”承認”を一瞬で得ているキョン。くやしい。
団員が不満だったのも、今キョンが信頼を得ているのもループしているから。という皮肉
あたしも行くからね。キョンに叫んでしまったから、言う決心もついた。キョンがみっともなく叫んでいるのに、自分が言わないわけにいかない。

 エピローグ。古泉の取ってつけたような説明を聞くキョンの微妙な表情。
部室にカエルの着ぐるみがあるのは、ハルヒが既に来ていて一時的に出かけているということ
31日宿題の回想。5人の位置関係。
古泉のやたら器用なカード捌き。キョンのやる気の無い表情。事実を既に悟っているように。
ロイヤルストレートフラッシュ、7月8日のチェスと同じく、キョンの勝利に見えるだけで総ては古泉の采配。
三大勢力(宇宙人、未来人、超能力者)が595年かけて得たものは、キングの自軍を守ろうとする意思。

【次回配信予定】 8月19日(水)22時00分~8月20日だそうです

*)筆がすべりました。そんなわけありません。例えばとらドラ!EDなどは印象的です。ただ、TV「アニメ」文脈では80年代の時点で、他のキャラと歩き方でヒーローを差別化していた事は覚えておいて損は無いと思います。ハーロックは映画版「銀河鉄道999」に登場の時点で腕を振らずに肩を揺らしてコツンコツンと歩いていますので、りんたろう監督には歩き方で特徴づけようという明確な意図があったのではないかと思います。
 体格が他のキャラと極端に違えば動きを他のキャラと変えようというのはアニメーションとして自然ですが、逆に動きのほうから発想して、しかも動き自体が目立ち過ぎずにそのキャラの個性になっているところに意義があると思っています(09/10/16追記)

レベル4 : 原作「消失」まで読んだ人向け
掲示板での議論です

925 名前: 風の谷の名無しさん@実況は実況板で 投稿日: 2009/08/16(日)16:37:10 ID:m4L4uUUcO
サムデイでキョンは、
ハルヒと有希からカーディガン、みくるからマフラー、
そして鶴屋さんからはハンカチを貸してもらってるんだよな。

これって何か意味はないんだろうか。

940 名前: 風の谷の名無しさん@実況は実況板で [sage] 投稿日: 2009/08/16(日)16:46:02 ID:EZHsJvbVO
>>925
重要な意味があった
カーディガンが長門のものだと推理させるためかもしれん
涼宮ハルヒの憂鬱 SOS団の活動1465日目 925および940

 それはその通りなんですが、この作品は一期時系列での最終回ですから、まずはカーテンコール的な意味ではないかと思ってみたりもしました。つまり、ヒロイン達からの花束代わりという理解です。

 そういえばエヴァンゲリオンTV版の最終回もおめでとうでしたね。これはうすら寒い偽善的な意味があったわけで、勘違いして感動しちゃった観客の為に「END OF EVANGERION」での気持ち悪いもあったわけです。

 それはともかく、花束のようなもらい物ではなく総て借り物なのですから、
鶴屋さん「キョン君、明日(2期が始まったら)みくるに返してくれればいいっさ」
なんて台詞が脳内再生されて、まてよ?二期って、時系列でのサムデイの続きは消失なんだからと思い考え直してみると、サムデイ イン ザ レイン

  1. キョンはハルヒに命ぜられてストーブを取りに行く。
  2. ハルヒは朝比奈さんの撮影の為、カメラを持って古泉と体育館に向かう
  3. キョンが帰ってくると部室には長門しかいない
  4. ハルヒ達は?と長門に聞くと、長門は首を振って、知らないと嘘をつく
  5. 部室でいねむりから醒めると、何故か長門がおらずハルヒだけ
  6. キョンは二枚かけられたカーディガンのうち、一枚をハルヒに返す。
  7. もう一枚のカーディガンを椅子にかけてハルヒと相合傘で帰る。
  8. 下校途中で駆け出したハルヒに待てよ、ハルヒのあっかんべーで終了
なのですが、この、
  1. ハルヒたちの居場所(部室/通常世界)に帰りたいと思い直す
    夜の帳の中、学校へたどり着くと長門だけがいる
  2. 長門は知らないと言う(サムデイでは明らかに嘘)
  3. 長門の目の前で眠りにつく
    眠りから(ハルヒのキスで*))目覚めると長門の代わりにハルヒ
  4. ハルヒの好意のあと、長門の気持ちに気付く(サムデイでは誰かは伏せられている)
  5. ハルヒの待つ場所(クリスマスパーティー/ハルヒの傘)へ向かう

の後半部分がサムデイ消失クライマックスでは驚くべき事に同一構造なんですね。すると
鶴屋さん《キョン君、12月21日に返してくれればいいっさ。必ずハルにゃんのいる世界に帰ってくるにょろよ。》
なんですかね?これで両作のハルヒのキスも確定。サムデイの長門が首をふるのが嘘なら消失長門が何を言っているの……(消失p.215)と言ったのも通常モード長門の演技で確定?もしかして、前半のストーブを取りに行く描写も消失と関係あり?

*)このあたりに書きました。そんなのお前の妄想だろうがよと思う人は下記の動画をどうぞ。
『涼宮ハルヒの憂鬱』~NEXT EPISODES PREVIEW~
1分47秒以降をボリウム最大でお聞きください。お疲れ様、キョンとその直後です。これがキョンが目覚める直前にあった事です。なぜかみんな「カーディガンをかけてあげたのを知られたので恥ずかしがった」なんて言うんだよなあ。

20話配信終了
ネタバレ度2 20話まで見た人

20話:「涼宮ハルヒの溜息Ⅰ
 初見と二回見直した印象とは異なる。

 実は、一回見た時点では大方の掲示板住人と同じく、「何このかったるい芝居。脚本を原作者が書いてるって?なに考えてるんだ」と思ってしまいました。原作を読むとドタバタコメディーにしようとして失敗して読後感が悪くなっているかのごとく見えるので、それを解消するために「射手座の日」のように頭身を低めにして暴力的なシーンをスラップスティックに見えるようにするものだと信じ込んでいたのです。
 そう思い込んで見ると会話が延々と続く上にタイミングをよくしてすっきり見せる工夫をしていないので、「なんでそこまで原作の台詞にこだわるの?谷川センセおかしくなられた?(失礼!)」と思ってしまいました。

 ところが二回見てみると、視線や表情の演技が「赤毛のアン」ばりに実に細やかですし、音響が凝っていて眼を閉じてもキャラクターの動きが解ったり、キョンの見た目カットに手ぶれが加えられていて主観だという事が強調されていたりとかなり力が入っています。今回は「憂鬱Ⅰ」のような丁寧な日常描写回だろうと考え直して見てみると、各キャラクターの心情がわかって楽しいのですが、逆に不安にもなります。

 この細やかさのままであのミクルビームをやるだろうと考えると、楽しいドタバタコメディーではなく陰惨なものを見せられるのではないかと不安がよぎります。ダークな物を見ていてもキョンのすっとぼけモノローグでたいしたことが無いかのようにごまかされてしまい、あとで考え直すと恐ろしいというのは確かにハルヒ的だとは言えます。どうなるんでしょうか。

以下ちょっとだけ気になったところを
(00;00;24長門はいの次カット)ここでハルヒがバトンを見て呆然としているだけでなく、顔を上げて長門の目を見て得意満面になる描写を入れているのは、これがコメディーとして笑って済ませる描写ではない、ということ。ハルヒびっくりの止め→ゴールインだけだと「なぜだか解らないけれど(長門の活躍で)勝っちゃった。」ですが、こうなる事でこのハルヒの笑みが「やっぱり、有希っ!」になります。すぐ後の国木田、谷口とキョンが3人が並ぶシーンも、微妙に距離感があって面白い。憂鬱Ⅵ(00;01;27)の谷口、俺って普通の男子高校生だよなからはかなり遠くに来ていて、キョンが普通の高校生だと思っているのはもはやキョンだけです。*)
(00;03;44現在、この県立高校はその準備に)ENOZ!
(00;03;47ところで、俺とハルヒの所属…)ズームアップではなくトラックアップ。生徒がカメラを意識している。
(00;03;58春先に朝倉涼子が…」)ズームアップである事をフレームを横切る生徒で強調。なんでこんなに机をみせる?もしや「ハルヒ劇場」との連結ではなく朝倉さん再登場?***)
(00;04;51そのわりに体育祭では…)体育祭の回想。他の生徒が倒れているという一種神話的なカット。ハルヒが終始後姿なのも手伝って、音楽のわりに不吉な印象。
(00;06;10是非この俺にわかるように…の次)ハルヒ無言。原作p.19では話しているのですが、キョンとのすれ違いをハルヒの表情だけで表現しています。アニメ版ならでは。この前シーンの台詞は高校一年の文化祭は一年に一度(→エンドレスエイト文化祭はスーパーイベント(中学時代は)おもしろくなかった(→憂鬱)など事件のマエフリにふさわしい。
憂鬱が部室に入ると非日常に
(00;06;51ハルヒみくるちゃん、前にも言ったと思うけど)お茶を入れる動作が原作と(p.26)変わった事で、”キョンにお茶を淹れてあげたかった”に変化。頭の上で逆さまになるようにねのアクションで、自分がやりたい事の為に部下を怒鳴りつけて誤魔化す嫌な上司(部下は辛いですよね)に見られる事を回避していますね。ハルヒが変化しているだけでなく、長門に対するキョンや朝比奈さんの表情の変化も面白い。「孤島」の頃とは全く違います。
(00;12;17昨日の深夜にTVでC級…)(00;13;37)にハルヒの口から同じ台詞。
(00;15;13長門そう)原作では無言でうなづくだけだが、長門自身がそうしたいのだという形に変化。「エンドレスエイト」でお面を買っていた事が、「朝比奈ミクルの冒険」でのアドリブに直結してくるのでしょう。**)
(00;15;28神様とか言わないでくれよ)上記長門のそうと対応。キョンは往生際が悪い。
(00;16;09古泉興味深い事ですね)古泉が朝比奈さんを見る→キョンもつられて見る→朝比奈さんはポカンとする→長門が本を閉じる。4人の立場の違い。
(00;18;36ハルヒ映画作りに必要なものは何か解ってる?)名台詞!ここに来られる方なら誰でもハルヒと同じ意見でしょう。カメラに決まってるじゃないの。目が覚めます!。キョンの答えは最初から機材が揃っている学校映研一年生の寝言。
(00;21;09どうせこの店で一番高性能な…)(00;12;17)に続いてキョンの恐るべき読心力(対ハルヒ限定)。「エンドレスエイト」で600年かけた甲斐があった、のか?普通のコメディーなら”おまえら仲いいな”なのですが…
(00;22;44教えた方がいいのかな)この朝比奈さんの顔と、すぐ後のハルヒの”SOS団専用スマイル”が話題に。不注意で「けいおん顔」になってしまったのではなく意識してキャラクターデザインから変わっている事は、前々回に指摘した通りなのでくりかえしません。おそらくは原作「憤慨」「分裂」あたりの挿絵がデザインソースではないかと。
(00;23;34朝比奈さんあのー)ちょうど原作p.55、正確に5分の1で終わっていることには絶妙な解説を書いた人がいましたので引用します。

625 名前: 風の谷の名無しさん@実況は実況板で [sage] 投稿日: 2009/08/21(金) 01:29:54 ID:CzNtGOIv0
しかしエンドレスエイト以降の酷さときたら目も当てられないな

これは脚本におけるカットした部分「端尺」を映像化してるだけだよ
本編のメイキング映像を見せられてると言ってもいい。
DVD特典でファンが喜ぶものを流すなよ。

商売に色目使ったバカのせいでホントに質が落ちたな。 涼宮ハルヒの憂鬱 SOS団の活動1474日目より

 え~と、関係者乙(苦笑)?けなし方が奇妙すぎます。しかし「端尺(ハジャク)」って、NGや未使用カットの事だったの?私はてっきりフィルムを長尺で購入しておいて、必要分だけ切ってカメラに装てんしたあとの半端な余りフィルムの事かと思っていました。
もちろん、実写ではないので戯れに回していたフィルムなんてあるわけないですね。

*)なぜか次を知っているので書いておきます。ここでキョンが投げたペットボトルが陽光を受けて光っているのは無意味な描写ではありません。詳しくは溜息Ⅱの感想で。
**)掲示板では「なんで長門しかいない文芸部に部費が下りるんだよ、それになんでハルヒがそれを使えるんだ」と議論。アニメ版では言及がありませんが、SOS団員が全員名目上文芸部員になる事で廃部をまぬかれたと考えるのが合理的でしょう。
(違いました。編集長一直線には文芸部員は長門一人であると書かれています。ご丁寧にも今さら文芸部に入ると言っても無駄だ(憤慨p.33)とまで!)文芸部長は長門なのでだって有希がいいって言ったものと許可を得る形になっているのです。
そしてそれが、原作「憤慨」の名エピソード「編集長一直線」に生きてきます。(追記)
***)よく考察サイト等では、溜息最終盤で現れるファンタジー風の人物は「涼宮ハルヒ劇場」(スニーカー文庫未収録)の伏線ではないかと言われていました。「涼宮ハルヒ劇場」は未読なのでよく解りませんが、どうやら違うようです。しかしなんでファンタジー?(追記)

21話「涼宮ハルヒの溜息Ⅱ」配信
ネタバレ度2 21話まで見た人

21話:「涼宮ハルヒの溜息Ⅱ
 「憂鬱Ⅱ」にあたる、超常が現れはじめる回

原作には無いBB弾の描写がおもしろい。
BB弾を撃ったりはじいたりするごとに日常から離れていきます。
では日常を表現するアイテムはなにかというと、おそらくはペットボトルです。
 前回、体育祭でキョンが脱ぎ捨てたSOS団半被の上に投げられたペットボトルが日陰にもかかわらず輝いていたのは、キョンがモノローグで長門の超常能力による勝利を「変態性」と呼んで誤魔化そうとした事をあらわしています。

 そのへんを中心に見ると
古泉とりたてて問題はないでしょう(00;06;58)BB弾を装填しながらの会話。キョンの心配と古泉の会話内容がずれていますね。
キョンが笑えないのはハルヒが3人の正体に気付いているのではないかということなのですが、古泉は、そういう配役なだけで現実ではない以上問題ないと言います。そこまではなんとかかみあっていますが、

 古泉誰だって映画の中の登場人物と演じている俳優を混同したりはしないでしょう(00;07;26)とメタ話を始めます。部室のガラス窓に古泉自身が映っています。古泉がカット尻でガラス窓に映った自身に顔を向けると、フレームの真ん中でガラスに映った古泉が視聴者を見つめます。「溜息」で作ったハルヒの映画が「朝比奈ミクルの冒険」だという形式ですが、実際はどちらもモニタ上の虚像に過ぎません。…いつのまにか映像と現実を混同するかどうかの話にすりかわってしまいます。

しかもハルヒが無自覚のうちにだ(00;08;05)キョンは正確に「団長」の四角錐をねらって試し撃ちをするのですが、BB弾はそれてしまいます。キョンの心に逡巡があるのか、中途半端なキョンの"非日常"では"団長"にかすりもしません。この後の俺だってしたくない(00;14;33)俺だってそうさ(00;08;27)も中途半端なキョン。古泉と立場が違うのに都合の良いときだけ同意して見せて、なにもしない言い訳にしているのです。
 古泉朝比奈さんや長門さんの勢力も同意見のようです(00;08;22)体育祭の瞬間移動走りも、今回のマジシャンスタイルも長門の独断。
 古泉世界を心配するより、あなたは自分の事をもっと注意してみるべきですね(00;08;37)原作では意味がよく解らなかった古泉の言葉が、キョンにBB弾を弾いて強い感情を現す事で明確に。"世界"は古泉/長門/朝比奈さんの管轄。キョンにしかできない事をキョンがやってさえいれば夏休みが15000回ループすることもなかったのです。
 谷口何が文化祭だ、腹立たしい(00;08;53)机の上にペットボトル。朝倉と長門がここにいないからつまらない、という会話!
 谷口それにしても、つまんねえなあ(00;10;14)アニメオリジナルのoff台詞。画面はハルヒの机。つまらない日常にはハルヒはいない
 直後のさあみんな、ロケにいくわよもアニメ版オリジナル。教室⇔部室の対比の上に長門⇔朝比奈さんも。朝比奈さんがストレスを感じるのは、「2年生の朝比奈みくる」でいたい、「未来人朝比奈ミクル」にはなりたくないから。では長門が平然とマジシャン服で部室に来たのは?
 ハルヒ心のたがが外れたとき、自分でも知らなかった潜在能力が覚醒して思わぬパワーを生み出すわけよ(00;18;50)前のカットを見る限り、キョンは机を見ながら湯飲みを置くのでBB弾がはさまる余地はない。まさしくハルヒの台詞どおり、これはハルヒパワー。右斜め前にいる古泉の方にBB弾を弾き返して、”非日常なんてやってられっか”
 (00;19;02)弾いた白いBB弾が白い風船になる。キョンの家の前で風船を見つめる親子の声は、大森電気店CM撮影時の 子供ママぁ あれ何母親しっ、みちゃ駄目よ(00;13;27)と同じ声優(!)。子供が振り向いて声を上げると、キョンの後ろを飛び去ってゆく黄色い風船。既にハルヒパワーは発動。
 朝比奈さんあのう、飲みます?あたしののみかけでよければ朝比奈さんの差し出すペットボトルをハルヒが嫉妬してとりあげる。朝比奈みくるから日常を奪って”朝比奈ミクル”にします。ロケ現場は10月なのにセミが鳴いている。
 俺たちが考える事などなにもない(00;23;31)長門がステッキで弾いたBB弾は白だったのに、キョンの手の上には黄色いBB弾。風船と同じ。もうハルヒパワーの渦の中。後ろの見物客が赤い風船を持っている。次は赤?

 ところで、今作と「朝比奈ミクルの冒険」の該当カットとは不一致がある事が指摘されています。
朝比奈ミクルの冒険」のヤマツチモデルショップCMではカンペとエアガンは画面右側から差し出されるのに、「溜息Ⅱ」ではいずれも反対側にあるとか、朝比奈さんがエアガンを受け取ったときに右手にマイクを持っていない事からエアガンと交換にマイクを渡しただろうと推測されるのに、「溜息Ⅱ」ではガンを渡した後ハルヒの手にマイクがないとか。
 戦闘シーン撮影では古泉が同じところに立っているのにレフ板に光が当たっていたりいなかったりバラバラだとか(「サムデインザレイン」を見る限り古泉はレフ板の使い方が解らないのか、ただ立っているだけなのですが、同じところに立っていれば同じ光加減のはず)朝比奈さんが着替えた時点ではカラーコンタクト装備なのに撮影が始まると装着していないのは、「朝比奈ミクルの冒険」とは一致するものの前後関係で矛盾するとか
ハルヒは朝比奈さんから右手でペットボトルを取り上げるのに、次のカットではキャップが小指側にきていて逆さまだとか。(00;25;51ハルヒほら、さっさと撮影はじめるわよ
 下手に指摘すると古泉に現実とフィクションの混同だと笑われるのかもしれません。

 newtypeチャンネルにて「涼宮ハルヒの憂鬱 エンドレスエイト 特別上映会」29日23:59まで配信。
 マルチ画面構成ながら再生される音声を変えてゆく事で、こだまのようにあの想い出深い台詞たちがくりかえし流れてゆきます。
失った時間は、二度と取り戻す事ができないのよ
そして、マルチ構成ゆえに恐ろしい事が起こります。それはもう誰もが知っているはずの事。
 19話で俺の課題は終わってねえ!と叫んで脱出に成功したまさにその直後、残りの7つのスクリーンではキョンが脱出に失敗して、挫折感に苦しみながらそんときの俺に任せるしかないかとつぶやきます。7つのスクリーンで同時に流れる「止マレ!」に19話の音声がかき消されてしまいます。脱出に成功した裏には15000回以上の失敗があり、しかもそれを現在のキョンは覚えてはいないのです。

ご注意 : 私のweb環境ではうまく再生できませんでした。下記の方法でうまく見る事ができましたのでご参考までに。
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 ただ、3Mbit/secとかなり重いので私のようにしょぼい回線では何回も止まってしまいます。ゆっくりと視聴しましょう