雑記 Diary2008/10

涼宮ハルヒ」原作を再度読み返しました。気になる描写があるページの角を折って読んでいたら、後の巻に行くほど折り目のせいで厚くなり、「分裂」などはほとんどのページを折ることになってしまいました。(以降の項目について書いたら、項目を消して行きます)

  • 分裂」「憤慨」でのキョンのネクタイを引っ張る長門や朝比奈さん
  • 不思議探索や朝比奈さんの髪を整える行為など、「憂鬱」とおなじ事をする事でハルヒの成長を表現
  • キョンが夢を見る描写で、このシリーズに科されたルールをあえて破っていたり
  • 猫はどこにいった」で苦手を克服するハルヒの描写と、「分裂」での予告編の、楽しそうだけれどやっぱりひどい映画
  • 陰謀」での、かぐや姫⇔人魚姫
などなど

 二次製作SSなども数点読んでみて思ったのですが、やっぱり「驚愕」で終わりか、そうでなけば次巻からは今までと違うストーリーにならなきゃ座りが悪いですね。よく掲示板でうわさされている、「驚愕end of evangerionなみの完膚なきエンディングであり、続編もネクストジェネレーションも作りようが無いものであったたので、ブームの収束を恐れた編集部が出版を延期している/作者に書き直しを迫っているが、できていない」説を信じたくなってきました。新アニメーションが延期になっていて、中止かどうかもわからない事を考えれば、後者かな?

 ファン諸氏も、「今回は顔見せに過ぎないよ、また会う事になりそうだね。くっくっ(佐々木)」とか「まだ自分の気持ちに整理がつかないようね、これ以上長門さんを苦しめたら、また刺しちゃうぞ(朝倉)」なんて言われるキョンが見たい人ばかりとも思えませんが、どうでしょう。

 ここのところ、激しく疲労しています

私が今このweb siteでやっている事というのは、丘に上がった河童が皿の乾きを防ぐ為に水を汲んで皿に注いでいるつもりなわけです。汲んでいるのは果たして水なのか、酒じゃないのかという疑問もありますし、汲むのに忙しくて他にやる事があった事も忘れかけているような気もしますが。

 某動画共有サイトでハルヒ関連MADを検索、量と質に圧倒されました。特に「消失」関連が沢山あって質も高いように思います。検索キーワードに「二期」「消失」「劇場版」を加えると沢山ひっかかります。古い作品ですが、某90年代アニメの映画版予告編を下敷きにした物などすばらしい。猛烈な疲労感が癒されます。

 原作では、ファンの多い「消失」ですが、実は私はそれほど楽しめませんでした。主人公が無理に決まったラストへの道を歩まされているように思えたからでもあり、残される事になる人たちの哀れさに感情移入するあまり、消失長門に俺は帰ってくるさ、なぜなら…と告げるキョンにうそ臭さを感じてしまったからでもあります。そして失われた3日間の描写にまずつまずいて時空図を描いてみたりもしました。

正直、そのへんがなければこの「雑記」もこんなに長く続く事はなかったでしょう。

 ダークな気分なのでダークなSSを紹介。以下「分裂」既読の方のみお読みください。

http://www25.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/4960.html
>俺は佐々木のことを気にしなくなっていた。
というのがちょっとルール違反だとか(気が変わったり、忘れるとその部分は最初から無かった事になる)、そもそも橘はなんでこんな事したんだとか疑問は残りますが、恐らく二次創作作者の表現したいことはそこではなく、佐々木の最後の優しさでしょう。
上記サイトは閉鎖されました(確認)

 キョンは薄情なんじゃなくて好意を示される事に不慣れなのではないかと思う(シンジ君より悪い意味で歳上)のですが、ここはあえて薄情に描いて正解

 あれ、俺どうしちまったんだろう。なぜだか解らないけれど涙が出るぜ
「何?どうしちゃったのよキョン!ねえ。」

とやらないあたり、作者のセンスが光ります。

すこし追記:本欄筆者は大甘なのか上記SSのラストの後にこんな描写を入れたくなります。
 残務処理の為地上最後のTFEIとなっていた長門が氷雨に濡れながら喫茶店に入店、二人の前で対情報操作フィールドを展開。上記の様に涙を流すキョンに、「あなたは彼女に出来る事をするべき。それが、あなたの為に涼宮ハルヒの能力を選ばされた彼女への、あなたの償い」と伝える。(後日談なのですから、ハルヒはすでにキョンがジョン・スミスであることを知っている筈)
だとか、そもそもハルヒの性格はあの強運あっての事じゃねーか、ハルヒから能力を取ったら消失ハルヒじゃねーの?とかとか書きたくなるあたり、SS作者の黙しがたい表現欲求に乗せられてしまっています。
(後で読むと恥ずかしいですね。自戒の為残します。)
とか書いてみて初めて佐々木の悲しみに思い当たりました。SSの筆者はこれが描きたかったのでしょうね。
 誰にも好かれるような事はしていないのにキョンの事は親友だという佐々木。1年間を孤独のまま過ごしていた彼女が、橘たちに誘われるままキョンに会ってみると、キョンの隣にはハルヒ。今は敵と味方。「ハルヒの能力を…」としか言う事はなかった。本当に欲しいのはそんなものではないのに。

すこし(08/10/09)関連の小ネタ

 ハルヒシリーズではキョンが忘れた事は最初から描写されない、というのは、原作既読の方には常識でしょう。

エンドレスエイト」では、過ぎ去った15498回の夏は描写されず、最後の一回のみが描かれます。三人称視点の「ビューティフルドリーマー」との最大の違いです。BDではなぜか朝になると(多分)ほのかに昨日の事を覚えていながら「あと1日だぜ」と延々言い続けるという悪夢のような描写でした。死ぬほど忙しい時に味わう、無限に同じ日々を繰り返しているような感覚が、実際に無限の繰り返しになっているという現実感あふれる描写です。エンドレスエイトでは最後の一回のみなので、キョン達のデジャヴのみが繰り返しの恐怖を読者に語りかけます。また、「陰謀」プロローグでは、見た夢を忘れる描写があります。見た夢の内容自体は描写されません。

疲れ切った末の睡眠状態の中で何故かむやみに楽しい夢を見たような気がした。目覚めて三十秒後に夢の記憶は消え去ったが、残存する雰囲気が教えてくれている。未来人と宇宙人が仲むつまじくお茶を点てている、そんな感じのヤツだったと思うのさ。
陰謀p.36

 このへんにも書きましたが、「孤島症候群」では酔っ払ってハルヒとした事(多分キス)を忘れた事にします。なにをしたのかは描写されません。
 これらが描かれないのと対照的に、「分裂」では見た夢を描写し、さらに目が覚めた後でその内容を忘れた事を書いています。(分裂p.237-243)自律進化とか精神病の一種とか大事なタームが含まれていますし、それ以上にキョンと一緒に眠っている人物も気になります。ひょっとして3人の意識が繋がっているという事なのかと想像が広がります。まあ、単にハルヒの無意識が「キョン!あの佐々木って誰なのよ、言いなさい」で能力発現しただけかも知れませんが。

 楽しい時間を連続させていれば、おのずと未来も楽しいものになるだろう。(略)、すべてのページにギャグだけを重ねていって、ラストの一枚だけがホラーになるなんてことはないよな。そんなもん俺は納得しねえ。誰だってそうだろ?
陰謀p.385~386

よく、ブログ等では「ハッピーエンドにするという作者の決意表明」などと書かれる描写です。でも、本当に?誰にとっても「憂鬱」から「分裂」までの1年は楽しい時間を連続させていたのでしょうか?人間になって思いを伝えたのにそれを否定され、自分の気持ちを酌んで刃を振るった朝倉をまた消滅させなければならなかった長門にとってはどうでしょう。そしてキョン以上に「やれやれ」と言いたかっただろう朝比奈さんにとっては?

「近いうちに、もっと大きな分岐点がやってきます。とても強力な未来……。そちらが選ばれてしまうと、わたしたちの未来は……ええと、あまりよくないことになっちゃうかも」
何故か身体の動きが鈍い。朝比奈さんのほうを向こうとしているのに、くそ、顔が妙に強張っている。
「でも大丈夫。わたしは信じているから、ね?」
陰謀p.385~386

目的の為なら躊躇無く朝比奈さん(小)を眠らせる朝比奈さん(大)がキョンの自由を奪います。わたしは信じているから、ね?の後に朝比奈さん(大)は何をしたのでしょうか?

 直後の描写からは鶴屋さんに電話をかけるように後催眠暗示をかけたのだろうと想像できますが、もっと別のことなのかもしれません。本欄筆者は、まったく根拠はありませんが「俺はジョンスミスだ」をキョンにとっての禁則事項に設定したのかもと想像しました。

 キョンは朝比奈さんの事を、皇子(キョン)の求愛を振り切って月(未来)へ帰るかぐや姫だと思っていますが、彼女自身は、王子(キョン)の愛が得られなければ海の泡(未来の消滅)になってしまう人魚姫なのだと「編集長一直線」で告白しています。(以前書きました

人魚姫(朝比奈さん(小))がもっと大きな分岐点」を迎え、海の泡でなく大気の精(朝比奈さん(大))になる為には、王子(キョン)の命を奪う決意をしなければならないのかもしれません。

 二次創作サイトSkirthikeを紹介します。こちらからお読みください。お下品ネタがありますのでご注意ください。トップからたどるには、最上段のフレームの「漫」→「ハルにゃんの!」です。
 とてもゴージャスな事にあの人とかこの人とかその人まで登場します。本欄筆者の考える程度の事(ここここの下のほう、背景色で隠してある部分)は誰でも考えるんだなあと。エンディングはこんな楽しそうな雰囲気になるといいですね。

上記サイトは閉鎖されました(確認)

二次創作ネタ
 あああ、「意味不明3コマ」がミハルさんのページからLIFOアウト寸前になってる!願わくは残しておいて欲しい物です。
最新の「みくるVS長門シリーズ ファイナル」(ページ最上段)は虎をからかおうとして獅子の尾を踏んでしまうネズミさんみたいな話で、私は「長靴をはいた猫」(東映動画)のペロとルシファのシーンを思い出しました。いや、全然似てないんだけどね。しかしTTT版の朝比奈さんはお姉さんキャラなんで、こう執拗だとシャレにならないような気がします。
夏休みの思い出」はちょっと誰でも描ける話ではありません。
追記:整理されて「夏休みの思い出」のほうが消えてしまいました!残念。

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